君と行く。この道は何処へ、つながっているのだろうね。

wowowで『ニューシネマパラダイス』がありました。
3時間。ノーカットです。

カレー作りながら洗濯物を畳みながら、観ました。
良い映画だった!!以前のグラミーをとったなんて知らなかった(!)

http://n-c-p.jp/
あらすじは多くのところで書いてあるので、私が一番好きだった場面を紹介します。

映画上映技師で事故の為に目が見えなくなったおじさんが、
自分の仕事を継いでくれたトトに、死ぬ前にあるフィルムを作ります。
おじさんは、渡せないまま無くなってしまいますが、トトの母親がそれを手渡します。
トトは映画監督として成功していたので、
仕事場に帰って自分の映画館でそのフィルムを観ます。
そのフィルムは、検閲の為に切り取られたキスや抱擁のシーンを繋ぎ合わせたものでした。
古いフィルムで、尚且つ、おじさんは事故の為に盲目になっていたのにも関わらず、
切り取ったフィルムの一枚一枚を繋ぎ合わせてフィルムを作ってくれたのです。

トトは初恋の相手と結ばれませんでした。
彼女は銀行家の娘でどうしても結婚したかったけれど、彼女の両親の反対や兵役の為に
それを阻まれてしまいます。
トトは、多くの女性達と付き合いますが、
結局、自分が望んでいるものとは違うものだと思っているのでしょう。
初恋を引きずったまま、おじさんになります。
検閲で切られたフィルムには、好き合うものどうしの愛が描かれ、
お芝居ではあるけれども、
1つの形があるわけです。
愛を求めて映画を作るトトが不憫でなりません。
同時に、それだけ没頭して求めるものがあることの幸せ、悲しさを感じました。
切ない、というか、わけの分からない感情がわっと出てきて、
涙が出て止まらない。
何でだろう。何時もは愛なんて言葉を聞くと、砂を掃きそうになるぐらいなのに。
トトだけの気持ちではなくて、
おじさんの気持ちやトトの恋人、母親の気持ちがなだれ込んできて、涙が出る。
映画でこんなに泣いたことなんて無いんです。アニメも泣かない。
思い出すだけでぐっとなってしまう。

妹達が帰ってきて、ちょっと驚いていたようですが、仕方ない。
日本で上映されたものとオリジナルは、編集の仕方が違うらしいのですが、
今回、ノーカットの原作バージョンを観れたのはとっても幸運でした。
主題が「編集」という作業を通じて変化するのが嫌だからです。
コレを書いているときにも、ボロボロ涙が出てきて自分でも驚いています。
夜中なのに!!明日学校へ行かなければならないのに!!目が腫れる…


最近、児童書にまで泣かされていたので、涙腺が緩みっぱなしです。

愛しい時間が増えていく。

肉まんが食べたいという神楽の要望を甘受し、コンビニへと路地裏を急ぐ。もう十月も下旬。夜の冷気が身に浸みる。
そういやぁ、この間、歳をとったんだっけ。俺も一端の年寄りになってんだなと、どうしようもないことをどうしようもなく考えて歩く。身体と思考が一致しない。月の光りが明るい夜は、無駄なことを考える。

芳香が鼻をつく。
路地を抜けて交差点を渡れば、コンビニに着く。
見知った気配に気を留める。
銀時は足を止めて、後ろを振り向いた。月が陰った。
懐かしい薫りがする。

「銀時」

張り詰めていた空気が、緩む。そこにいたのか、と街路の方から声があった。
ヅカヅカとこちらへ歩いて来るのは、昔から変わらない。

そこで何をしている、もしかして覗きか。

そんなこと銀さんがするワケねぇだろ
いや、この間のじゃんぷで若い女の子の部屋を覗いていただろう。この馬鹿が。
お前に馬鹿と言われたくないね、馬鹿ヅラ。
馬鹿とは何だ、馬鹿とは。それに俺は、

あぁもう。1番厄介な奴に会っちまった。

銀時、話を蒸し返すようだが、何をしていたんだ?正直に言ってみろ。告げ口しないから。

まあ酷い。桂くん、人が何しようが勝手でしょ?

何時もと同じような応酬を繰り返す。本心は恥ずかしくて、昔を引きずっているのが知られたくない。
ただ、木犀の薫りが
久しぶり、だった、
とは。

自分が新しく生を承けた月に、咲く鮮やかな花香。学舎の庭端に咲いていた小さな花。ツンと冷ややかで甘い匂い。大切馴染みのな彼人が手づから折って、これは木犀というのだと、教えてくれた。

桂、と呼ぶ。
何だ、と応える声がある。
肉まん買って、うちに来ないか?

お前が菓子を持って来ないから、神楽たちが不平を行っていたんだよ。

そうか、久しく手土産を持って行ってないな。

そこのコンビニに肉まん買いに行く途中なんだ。付いてくるか?

明日は松風屋で密談なんだがな。まあ。明日、明後日は特に用事はないからな。

結局用事はあるのか、ないのか?ハッキリしやがれ。

ない。

…密談は?

別に。いけ好かない輩とは、俺も同じ部屋にいるのは嫌だからな。
どうせなら、昔馴染みの方がいいさ。

そういう文句は他所で言ってないだろうな、と心の中で独りごちる。心の壁を無理に越えようとしないところが、桂の長所だと思う。壁の少し遠くから辺りを見回して、待っている。こちらが塀から出てくるまで。
かと思うと、壁の綻びから素知らぬ振りをして、心の臓に入って来る。だから、放っておけないヤツなのか。

最近、何だか性格がかなり変わってきたと思うんだけどな。

何か言ったか?

いや。肉まんを肴に苺牛乳でも飲もうぜ。

お前ね味覚が分からん。

路地から大通りの方へ歩く。葉の擦れる音がする。辺りの一層香気が濃くなった。

木犀か。

馴染みが呟く。月光が馴染みの姿を照らす。

コンビニへ行って、肉まんついでに冷凍蕎麦麺も買った。何時も言えない礼の代わりに、沢山の野菜を入れてたぬきうどんを作ろう。

愛しい時間、苦しい時間、そんなものたちを抱えて時を経る。ただ大切なものを抱きしめる。それが、いきることなのかもしれない。



銀さんのHAPPY BIRTHDAY記念。遅い。汗
そもそも、たぬきうどんなんてあるのか。汗

香りにつられて、歩く道。

夕食の後、
神楽が肉まんを食べたいというので、新八に頼もうと思った。
しかし、ちょうど歌番組に飛び入り参加でお通が出てきたので、それどころではなくなった。

仕方がないので、銀時が買いに行くしかなかった。
「今月、あと500円しか持っていないから、本当にヤバイんだけどな…」
やる気も無く、靴を履き階段を下りる。
一番近くのコンビにまで10分。

立秋が過ぎて、大分夜が来るのが早くなった。
丸い月が、東の空に出ている。
空気が冷気を帯びている。
月の光が、青々としていて澄んでいる。
足元が明るくて助かった。

近道をしようと思って、路地裏に入った。
狭い道を歩いていく。

幾つもの烏を滅したとしても、

夜の都会ほど、無防備な場所は無い。
仕事帰りの一杯、賭け事、バー通い。
夜は、人の感覚が最も緩む場所と時間を用意している。町を歩けば、人の欲を対称にした商売が溢れている。作り笑顔の妙な安心感。疲れた身体を癒すには、虚構の悦楽でも良いらしい。それだけ都会人というのは、人に、感情に、人肌に飢えている。家に帰れば一人。遣り切れない感情を放出するために、彼らは仕事帰りの町を練り歩くのだ。


空中楼閣の船の一角に三味線を持った男が一人。
節といえない旋律を、音を転がすように爪弾く。満月を少し過ぎた月の光りに照らされたビル郡の喧騒は、空に浮かぶこの場所までは届かない。もう夜中であるのに眼下に広がるネオンの彩は、一向に衰える様子が無い。


その男、高杉晋介にとって、人などというものは己の欲を満たすために動く、単なる動物にしか見えない。自分の意思では何も決定できず、他人に諂い、適当に生きていければそれでいい、侵略者に対して寛容な下等生物。他人の幸せ、他人の命を犠牲にしてをも、何も感じない、のうのうと無駄に命を延ばしているだけの下劣な生き物。


もしも此処から、爆弾をこの場所に投下したなら、幾人の人が死んでくれるだろうか。
この世界は滅んでくれるだろうか。
俺から“世界”を奪ったこのセカイは、朽ち果ててくれるだろうか。


夜の風に、冷気が混じる。弾く弦が、張り詰める。酔いの廻った男の鼻歌が、硝子を引き裂くような叫び声に変わる。もう、生きてはいられない。もう、死にたい。しかし、死が訪れるのは恐ろしい。先生が愛したこのセカイに、生きてみたいと思っているのかもしれない。

何も言えない、何も聞けない、何も出来ない身体。
優しく自分を呼んでくれない唇。もう二度と聞けない、記憶の中で反芻するしか聞くことの出来ない声。優しく微笑ってくれない眸。二度と、俺に触れることのない、大きな優しい手。
朽ち果てることしか出来ない、軀。


二度と見たくないと思う大切な人の姿。もしも今、此処で、自分が果てたなのなら、幾人の人が悲しんでくれるだろうか。いや、誰も悲しみはしない。一番大切にしたかった、悲しんで欲しい人は、もう、この世には居ないのだから。


だから、俺はこの世界を壞のだ。
人も生き物も、植物さえも、生きるものすべてを破壊しつくして、俺は一人になる。偽りの悦楽も、悔恨も、虚偽の仲間なんて必要ない。仲間までも殲滅して、生きているのは俺だけになればいい。
真の孤独は、きっと俺に本当の自由をくれるだろう。それで初めて、俺は後悔するのだろう。


奥の座敷から男や女の嬌声が聞こえる。虚構の中で生きている人々が、空ろな感情を感じるころ、船は海上を舐めるように走る。後数時間もすれば、朝日が昇る。人々はまた、正常に動き出す。そして太陽が陰る頃、再び町へ繰り出すだろう。

懐かしい時 苦しい時


海のように蒼い、雲ひとつ無い空が広がっている。太陽は夏ほど威勢がよくない。日陰に入ると、寒さを感じるようになった。正に秋、という空の下、歌舞伎町の神社では毎年恒例の落ち葉掃除が行われている。今日借り出されたのは、白髪の男が一人、めがねの少年が一人、赤い髪の少女が一人。白髪の男が酷くやる気の無い欠伸をひとつ。


「ちょっと銀さん、真面目にしてくださいよ」
「そうネ、銀ちゃん。働かざるもの喰うべからずネ」
「偶にはちゃんと喋れるじゃないか、神楽ちゃん。でもね、正春と一緒に遊んで余計に散らかしているだけだよね。有限実行になって無いよ、いい加減にしろよ。」
めがねの少年が盛大に大きなため息をつく。
「落ち葉を集めて、焼き芋をしようと言ったのは銀さんでしょう。もう、何でも人任せなんだから。小さなお芋にあたっても知りませんからね」
めがねの少年がまるで姑のように小言を立てる。しかし顔は綻んでいる。焼き芋なんて子どものころ以来で気持ちがわくわくしている。赤い髪の少女は、竹箒を持って、大きな白い犬と戯れている。
「焼き芋、焼き芋。正春、よかたね。食前の運動するネ、ほら」
竹で出来た箒が空高く舞う。
めがねの少年が、慌てて赤い髪の少女と白い犬を追う。


赤く染まった椛、黄色に輝く公孫樹。蒼い空を彩る木立の中、白髪の男はぼんやりと思索していた。持った箒の下に出来た、小さな落ち葉の山が少しずつ風で崩れていく。また掃かなければならないとは思うものの、面倒だという気持ちが勝ってしまう。めがねの少年が恐らくしてくれるだろう。そう思って、掃除をすることを破棄した。
ゆっくりと境内を歩く。何かから逃れるように。しかしゆっくりと落ち葉を踏む。裏手の団栗の林。帽子の付いた丸い団栗があちらこちらに落ちている。茶色の景色の中を、白髪の少年が駆け抜けた。楽しそうな笑い声と共に。それを他人事のようにぼんやり眺めながら、白髪の男は歩いていく。


「銀時、こんな所で何をしている」
林が終わってしまいそうなとき、白髪の男は名前を呼ばれた。呼んだ男は、長い髪を一つに束ねて白いペンギンのようなペットと共に、綿飴を売っていた。白髪の男はぎょっとした。
「あ、づら」
「ヅラじゃない、桂だ」
何時もの応酬が白髪の男を現実に引き戻す。
「お前こそ、何をやってるんだ」
「見れば分かるだろう。綿飴屋だ。これも攘夷活動の一環なのだ」
おいしいですよ、甘いですよとプラカードが現れる。
あっはっはと胸を張っている馴染みの男。
赤い半被、ねじり鉢巻、腹巻に下駄。
「そっちかといえば的屋の親仁だな」と反論してみる。
「親仁ではない、桂だ」
もう分かったよ、などとげんなりした表情をしてみせる。
「銀時、おまえはこんな所で何をしている」
言葉に窮した。ぼんやり、していたといえばそれまでだ。掃除だったっけ、本当は。
「芋だよ、芋」
「は」
「あっちで新八たちが落ち葉をかき集めて焼き芋をするんだとさ」
「お前も来るか。ああ、綿飴屋やっていたんだっけ、今は。」
一瞬、ぽかんとした顔をした馴染みの男は、呟いた。懐かしいな、と。
「では、早く行かなければな」
「後片付けはどうしますか、桂さん?」とプラカードが訪ねる。
「今日は、平日で客もこんだろうしこのまま今日は閉店だ。焼き芋の方が、重要事項だ」
言うが早いが、屋台を畳んでしまう早業。何処でこんな技を覚えてくるんだろう。普段着に着替えた馴染みの男はそそくさと団栗の林へと進んでいく。未確認生物がその後に続く。
小さい子どもたちが数人、その後に続いた気がしたのは幻か。
「おい、銀時。新八くんやリーダーが呼びに来ているぞ。」
黄葉した林の中から、自分を呼ぶいとしい声がする。
久しぶりに懐かしいことをしようとすると、昔を思い出して心が落ち着かない。しかし、生きるべき時は今なのだと、親しい人々は教えてくれる。
「今日の芋、美味しいのかね。あの腐れ親父から貰った芋だからな、信用できねえや」